別冊宝島 プロレス「リングとカネ」裏事件史

急死・橋本真也「書かれざる真相」
巨額負債と「禁断の愛」のすべて
草間政一(前新日本プロレス社長)激白!
「知りすぎた男」が語る「猪木とカネ」
10億円大失敗イベントの大いなる傷跡
「猪木ボンバイエ訴訟」顛末紀
特別企画 プロレス「長者番付」30年史
表紙に書いてあるネタだけでかなりそそるものがあって即購入。それにしても橋本真也ネタだけでなく、「知りすぎた、私」
この他にも「地獄のアングル」永島勝司インタビュー、ザ・グレート・カブキが語る「引退レスラーの経済事情」、「T-1」二見理社長のインタビューとか読みたくなるネタが満載(笑)。
それにしても草間さんは「紙のプロレス」で2号連続インタビュー受けたりハッスルに出たりがんばってるなぁ。草間さんの話を読むといかに新日本プロレスがドンブリ勘定な経営か、いかに経営がヤバイ状況か、いかに選手やフロントに危機意識が無いかがよくわかる。これでも坂口が社長になってから健全になった方だったわけだから、猪木がどれだけいい加減な人かというのは言わずもがな、だけど(笑)。さらに北朝鮮の「平和の祭典」やら訴訟ざたになった「猪木ボンバイエギャラ未払い騒動」の話なんか読むと、まともな会社は猪木や新日に出資しようとは思わないわな(笑)。
で、今回の目玉はプロレス界というよりもマット界「長者番付」30年史。昔は高額納税者番付のスポーツ部門で猪木が常連だったわけだけど(プロレスラーの中では'74年から'88年の間で13回も1位。'83年はスポーツ部門で堂々の1位!)、実は'90年から'97年までプロレス界で8年連続1位だったのはジャイアント馬場だったことが判明。このころからプロ野球選手の年俸が高騰してベスト10に入らなくなってたから目立たなかったんだろうなぁ。
でもって「全日本は馬場以外は高額納税者として公示されない→馬場はケチ→選手の不満が爆発して馬場の死後ノア旗揚げ」というのがプロレスファンの間で常識になっていますけど、実はジャンボ鶴田だけは結構もらっていたことも判明。まぁこれにはカラクリがあって裏事情はカブキがインタビューでしゃべっているわけですが。それにしても天龍がSWSに移籍してから高額納税者の仲間入りをしてSWSが分裂した翌年から消えるというのはわかりやすい(笑)。
巻末はなぜか「チケット&トラベルT-1」の二見理氏のインタビューなのだが、『二見オリジナル』の接客を続ける理由が
「あれは私なりのプロレスですから。バーリトゥードでなく店内のプロレス。だからプロレスファンは理解してくれるし、当社のお客さんは最高なんですよ」
だって(笑)。ちょっと待てよ、「私なりのプロレス」「店内のプロレス」って、アンタ店外まで客追いかけてケンカしてたことあったじゃん!! オレ、店外で二見さんがケンカしてるの2回も目撃してるんだけど(笑)。それによしんばプロレスファンが『二見プロレス』でバンプ取れたとしても、プロレスファンの次にお得意さんであるはずのプロ野球ファンには理解できないと思うぞ(笑)。
結局プロレスファンの知りたいことって「ガチンコでやったら誰が一番強いのか」を筆頭としたヤオガチ論争とか、「あの選手のギャラは幾らか」「レスラーの太っ腹なエピソード」といった金の話とか、女(女子プロだったら男)の話とかだったりするわけじゃないですか。その中のヤオガチ論争ってミスター高橋本でかなり沈静化しちゃったわけですけど、金の話はまだまだ謎の部分が多かったわけで・・・しかし、この本のおかげでかなり解明できたかなぁというのが正直な感想ですな。
参考記事
こんな『T-1グランプリ』もあります
●他のプロレス・格闘技ブログはこちらから。